キャリアコンサルティング(カウンセリング)で「誘導しない」ということの難しさ
カウンセリングでは、誘導をしてはいけない、とキツく戒められると思います。
この点、ちょうど私が講師をしている大阪市後援のレジリエンス講座でお話しさせて頂いたのですが、こちらでもお話しさせて頂きます。
例えばCLが
『私は臨床心理士をしていた父の影響もあって、大学では4年間、新聞奨学生として心理学を学んだんです。』
このように話したとき、カウンセラーはどう反応するか、それはもちろん千差万別です。
この文章を(小学校で学んだ文節に分けるっぽく)大きく分けてみてみましょう。
(私は)
臨床心理士をしていた父の影響もあって/大学では4年間/新聞奨学生として/心理学を学んだんです。
この区分のどこに焦点を当てるかは、CCの自由です。
お父さんの影響に注目するCC
大学で4年間学んだその知識を賞賛もできます。
新聞奨学生に注目し、勤勉さを深堀りする方もいるでしょう。
心理学を学んだことを繰り返して、CLの反応を観察することもできます。
そうなんです。ある意味、CLの言いたいことを無視して、自分が興味のあることを深堀りしていくことも可能なのです。
その結果、現在のCLが気づいていなかった問題に気づき、その問題を中心にCLの変容が起きるかもしれません。
カウンセリングの各種技法が、なぜ『技法』と呼ばれるのか。
それは『技』という言葉のとおり、本来不自然なものだからではないでしょうか。
不自然な技をなぜ使うのか。それはCLの変容を起こす為、促す為ですよね。
一歩間違えれば、すぐにCLはカウンセラーに変容へと『誘導』されてしまうのです。
カウンセラーは面接ロールプレイ試験中は特に、この『コミュニケーションのチカラ』をもっと認識する必要があり、誘導しない、ということがいかに難しいかを考える必要があると思います。