キャリアコンサルタント試験・キャリアコンサルティング技能検定試験の論述問題の対策(書き方)について。その1
論述問題においては、私の思うところ、キーワードによる採点が行われているように感じます。
しかしながら、テクニック的な問題よりは、まず、キャリアコンサルティング協議会の論述問題への考え方をとおして、解法を考えていきたいと思います。
論述問題の基本的な考え方
技能検定にしろ、国家資格にしろ、論述試験の根本的な出題背景は「論述は実技試験の一つである」ということです。
かつては論述試験は「学科試験」に組み込まれている養成機関が殆どであり、JCDA協会も論述試験は学科試験の一部でした。
しかしながら、今般の国家資格化にあたり、国家試験での論述試験は技能検定と同じく「実技試験」のひとつとなったわけです。
そうすると、この論述試験には、技能検定の考え方が色濃く反映されるはず。そう考えた殆どの受験対策機関は「国家資格論述と技能検定論述は同じ形式の出題だ」と思い込んでしまいました。
これこそカウンセラーが最も忌避すべき「準拠枠」で見てしまったのではないでしょうか。
国家試験は、あくまで標準レベルです。熟練レベルとは求められる技能レベルが異なるのですから、問われる内容も異なるはず。
その結果が試験概要の「事例記録」を読む、という言葉に顕れていたわけです。
つまり、標準レベルキャリコンには、「逐語記録から読み取る力はまだ求められていない」そう解釈することすら可能なのです。
その考えが現れたのがまさに第1回の論述試験でした。
しかし、基本的な考え方は技能検定を踏襲しています。
それは「単純に知識を確認しているのではなく、スキルがあるか・行動できるかを確認する」というのがその目的です。
(緑本P176引用)
つまり「論述」では、「どう認識し、どう計画したか」という実際の行動の前工程を確認します。
(同引用)
という言葉からもこの「論述試験」を貫く根本的な考え方が分かります。
実技試験ですから実際の面接で相談者の役に立つかどうか、が大切な視点となってきます。
(同引用)
今回、多くのキーワードを書かせる形での出題になったのは「知識を確認するのではなく、行動できるか」を問いたかったわけです。
どれだけ多くの引き出しを持っているか。提案できるか。提案の前提として確認できるか。
そして、キャリアコンサルタントとして忌避すべきことは何か分かっているか。
この点を踏まえれば、論述試験のクリアすべきポイントが見えてくるはずです。