法律から考える国家資格キャリアコンサルタント試験・キャリアコンサルティング技能検定試験 論述試験の解法のヒント
さて、明日9月21日より、28年度後期キャリアコンサルティング技能検定試験、そして9月23日からは第2回国家資格キャリアコンサルタント試験の受験申し込みがはじまります。
今回は、特に法律の観点から、上記2試験の論述試験の解法について述べたいと思います。
私も受験生の皆さんと同じように、わずかな情報を求めてネットを検索しまくり、ありとあらゆる講師のブログを読んだり、自腹を切って対策講座に参加したりして、この論述試験の解き方を考えてきました。
しかし、正直言ってなかなか満足のいく内容のものはありませんでした。
なので、自分で突き詰めたわけです。
その結果、第1回国家資格キャリアコンサルタント試験 論述出題形式の変化を予想&的中という、金星をゲットできましたが、
やはり、多くのキャリアコンサルタント講座の講師の方は、良くも悪くも「カウンセラー的思考」であるのだと思います。
私は、自分が行政書士試験をはじめ、社労士、宅建、プライバシーマーク審査員補といった法律的な思考が必要となる試験を受験してきたので、
カウンセラーとしての思考とは別に、
法律的にどうなのか
という観点から、このキャリアコンサルタント試験を分析するようにしています。
つまり、キャリアコンサルタント、キャリアコンサルティングのこの2つの試験は
国家検定
国家資格
として実施されるわけですから、法律に則って実施されなければならないわけです。
ならば、まずキャリアコンサルタントに関係する法律を読み込むこと。
遠回りではありますが、これが最重要なのです。
国家資格キャリアコンサルタント試験の第1回学科試験の問2を見てください。
「職業能力開発促進法」で示される、キャリアコンサルティングの定義が問われています。
キャリアコンサルティングとは、個々のキャリコンが何を言おうが
「助言及び指導」を行うこと。
なのです。
日本は法治国家ですから、法に基づいてキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングであれば、
個々のキャリアコンサルタントの考えはどうあれ、キャリアコンサルティングに関する法律の定義がある以上、これが唯一絶対に正しいのです。
何が言いたいのかというと、
「法律上、傾聴だけではキャリアコンサルティングとはいえない」
ということをしっかりと分かっていないといけないということです。
なので、
「国家資格は旧標準レベルですから、落ち着いて傾聴だけはしっかりしましょうね」
という講師がもし居たとしたら(居ないと思いますが)
その方は講師失格です。
傾聴だけでは「助言と指導」が無いからです。
養成講座も同様です。
平成28年4月をもって、法律が施行され、キャリアコンサルティングが定義されたのですから、
「助言と指導」これがあって始めてキャリアコンサルティングなのです。
であれば、論述も同様に、助言と指導が必要である。
だからこそ、
第1回国家資格キャリアコンサルタント試験の論述試験は
「提案したいことを述べよ」
と問うたのです。
そう、標準レベルであっても
「傾聴だけではキャリアコンサルティングとは認めませんよ」
という法の定義を反映した出題とも言えるんです。
繰り返しますが、
キャリアコンサルタントは法律により名称独占となった国家資格であり
キャリアコンサルティングは法律により定義されています。
この観点を見落として、国家試験、国家検定は語れません。
受験生の皆さんには、この「法律の観点」を意識して頂くことがまず解法の1つだとご理解いただければと思います。