法的思考力を持った、新世代キャリアコンサルタントになろう。1「守秘義務」について考えてみよう。
法的思考力を持った、新世代キャリアコンサルタントになろう。
ということで今後
国家資格キャリアコンサルタント試験
キャリアコンサルティング技能検定試験
で出題される可能性もある論点について、述べたいと思います。
今回は「守秘義務」です。
みなさん、よくロープレのときに(実務でもかもしれませんが)
「私共、キャリアコンサルタントには、守秘義務がありますので、安心してお話し下さい」
って言いますよね。 守秘義務がある。 ふむ。 皆さん、会社に入るときに、誓約書出しませんでした?
「個人情報等の漏洩は行いません」
「私が個人情報を漏洩させて、会社に損害が生じたら賠償します」
みたいな。
そう、
「守秘義務なんて、いまのご時勢、社会人なら殆ど誰でもあるんです」
じゃあ、例えば 六本木ヒルズのIT企業に、給与計算担当の派遣社員として働くA子さんが
「派遣会社に対して有する守秘義務」
と
キャリアコンサルタントのあなたが
「CLに対して有する守秘義務」
何が違うのでしょう?
A子さんはわざわざ、オフィスで働いている方に
「私は派遣社員としてスタッフの皆さんの給与計算に従事しますが、私には派遣会社との間に守秘義務がありますので、安心してください」
なんて言います? 言いませんよね。
じゃあなぜ、あなたはわざわざ
なんて言うのですか?
CLは顧客でもあります。
顧客の秘密を守るなんて、社会人として最低限のルール、常識、当たり前のこと。ではありませんか?
A子さんの守秘義務とキャリアコンサルタントの守秘義務、何が違うのでしょう?
次に少し違う角度から。
そのA子さんが、個人としてあなたのCLになったとしましょう。
あなたはいつものように 「私共、キャリアコンサルタントは守秘義務がありますから安心してお話しくださいね。」 と伝えたところ、
A子さんから
「先生は守秘義務があるから安心してください、って言いましたけど 、そういえば私も会社との間に守秘義務があります。 例えば今日、先生に上司のことを話したら、会社と私の間で守秘義務違反に問われないんですか?」
と尋ねられたら、あなたはどのようにA子さんに説明しますか?
試験対策講座・養成講座に参加されている方は講師に質問してみるのもよいかもしれません。
もちろん、人によって答えは違うでしょう。しかし、
ここでA子さんを納得・安心させる説明ができないと、そのためのラポールを築いて、A子さんの「会社での悩み」を引き出すリファーなどの工程が増えてしまいます。
だから法的思考力が必要なんです。
キャリ魂太郎でした。