両津勘吉は自殺しない。
ブラック企業での過重労働による自殺について、もう少し述べます。
「両津勘吉」とは、先日惜しまれながら終了した、ジャンプの「こち亀」の主人公、いわずと知れた両さんです。
彼のような人をどう思いますか?
人情話の回では、責任感も見せたりしますが、基本ルーズ(自分のこだわりのあることを除いて)で適当です。ユルいです。
借りた金は返しません。
職場は自分で勝手に改造します(天井裏外してジオラマ隠したり)
改造するどころか破壊したりもします。
備品は客(市民)に投げつけたりします。
ていうかめっちゃ暴力的
さらに遅刻早退職場放棄当たり前。
そして、いざとなったら
「逃げる」
派出所に、血相変えた大原部長が怒鳴り込んでくる前に、遠くに逃げているエンディングで終わる回がそれですね。
そう、逃げるから死なないのです。
責任を取って死んだりはしません。
この感性を許容することが「本当の自殺予防」です。
借金踏み倒されても
職場を破壊されても
客に会社の備品を投げつけても
殴られても
「両さんだからな」
で許す。だから両さんは自殺しない。
そう、周囲の人々が両さんを許容しているのです。
中川も麗子も大原部長も、数分遅刻した程度で目の色変えて人格攻撃するような輩とは、「魂のレベルが違う」のです。
中川や麗子は金持ちだから許すんだ、ではありません。地元浅草の商店街の皆さんも、両さんには被害を被っていますし、ボーナスの時期には両さん相手に大捕り物が展開されます。
そんな風に、一般庶民まで両さんを許容しているんです。
そんな社会なんですよ。個性を尊重し、人の命を大切にする社会っていうのは。
両さんをリアルに許容できる人は、絶対に他人を死ぬまで追い詰めたりしません。
むしろ両さんの方が普通に怖いです。銃撃ってきたり、車で体当たりしてきたり、寮にゴキブリ10万匹の地獄絵図発生させたり。
私が中学生だかのころ、宿題を忘れてきてごめんなさいと泣いた同級生が居ました。
教師は褒めていましたね。
今なら分かりますよ。そういう教育が行き過ぎた責任感と自殺への逃避を生むんだなって。
宿題は義務ではなくあなたのためのものであって、やりたければやればいいし、やりたくないならやらないでいい。当然期日までに持ってくるかは自由。
それによって普段授業などが理解できなくなるかもしれないけれど、それは仕方がないし、けどテスト直前に思いっきり勉強して取り返せばいいよ。
教育がこう変われば、例えば
勤労は憲法上の義務だけど、営業ノルマさえ最低限果たしてくれれば(あなたを雇うことによる損失がない限りは)、無断遅刻しようが無断欠勤しようが好きにしていい。
それによって勤務態度の評価は多少下がるけれど、営業成績よければ賃金には影響しませんし、締めるところは締めるってのも勤務態度としては悪くないよね。
こう変わっていくんじゃないかな。(四年ごとに起きる日暮さんとかこれですよね。)
それを許容する社会であって欲しいですね。命が大切ならできるはず。