臨床能力と環境介入能力。国家資格キャリアコンサルタントに求められる知識・能力は試験に反映されるのか。
キャリアコンサルタント試験を受験される方の中には、カウンセラーやセラピストといった仕事をされている方も数多くいらっしゃいます。
私も、産業カウンセラー資格を持っていますし、ヒプノセラピストやEFTセラピストの資格も持っています。
そして、キャリアコンサルタント試験では、実技し江権として「論述試験」でも「面接ロールプレイ試験」でも、対人技法がマスターできているかが問われます。
なのでどうしても、
カウンセリング技法コーチング等で使われる技法や、いかに関係を構築するかといった知識を優先してしまいがち
なのですが、
私の過去問PDF教材を購入された方は、すでにご存知のように、
あの「木村本」を執筆された、木村周先生は、下記のように述べておられます。
これからのキャリア・コンサルタントは、個人の支援だけでなく「環境」を変える力を持たなければならない。
多くのコンサルタントは、カウンセラー出身者が多く、そのためとかく個人の支援にとらわれる。
キャリア・コンサルタントは、何が出来るかのまえになにをすべきか、役割を考えるべきである。
↓下記URLからの引用です。
実技試験が急激に変わることは考えにくいですが、学科試験は徐々に対人(個人)支援から、環境介入の知識を問うものが多く出題されるように変わっていくのではないでしょうか。
それには、「経営者層」を動かすという、これまでの、カウンセリング・コミュニケーション能力はもちろん、法的知識やコンサルティング能力、業界知識、統計情報知識等が求められてくると思われます。
そういう意味では、
社会保険労務士はもちろん、中小企業診断士といった資格者が有利になってきます。
これは、試験だけでなく、実務でもそうです。
労働者個人のキャリアコンサルティングができる。というだけでは、活躍の場が限られてしまいます。
しかし経営者の悩みに「も」応えることができる、
となれば、それはより大きな舞台で活躍できることになりますし、
何より
経営者の心をつかめば、環境介入の成功率も高くなります。
つまり、こういった経営知識は、企業(事業者)相手で大きなアドバンテージになります。
「ブラックジャックによろしく」という漫画で、こういう言葉があります。
「教授の使命は中略臨床能力が特別に優れている必要はない。君が救えるのは君が出会った患者だけだ」
「私はすでに私の研究成果で数百万人の患者を救ったよ」
ブラックジャックによろしく / 佐藤秀峰 / 漫画 on Web
目の前のクライエントを救うことに重きをおくことと、環境に介入して、その会社・その業界を変えていくこと、どちらがよりキャリアコンサルタントに望まれているのか、それは私にはわかりません。
しかし、少なくとも、試験に大きな影響力を有するであろう、木村先生はハッキリと後者のようです。
このことは、今後の試験傾向はもちろん、実務研修の場でも、知って置かれたほうが良いかもしれません。