自殺するくらいなら辞めろ、で辞められる状況ならそもそも自殺なんてしないし、そんなこと言われなくても自分から辞めますよ。
最近のニュースで、自殺が労災に認められた事例がありました。ご本人や親御さんには、大変無念であったろうと思います。ご冥福をお祈りします。
この件に関しても、多くの方が、自殺する前に退職すれば、というようなことを述べられていますが、
退職という選択肢を選べないから自殺しているのです。
根本的に間違っているわけですね。
誰だって、そりゃ死ぬより退職したほうがいいと思いますよ。
じゃあ、あなた、借金を返せず自殺する人になんていいます?
自己破産すればいいんですって言いますか?(これも同じですよ)
じゃあ闇金から借りていたら?闇金は自己破産なんて関係ないですよ?
警察が本当に守ってくれると保証できますか?
闇金なんて言わなくてもいいです。仮にあなたがその人にカネを貸していたら、
「いいよいいよ、あなたが死ぬより全然いいから自己破産しなよ」
っていえるんですか?
死ぬより辛いこと、死ぬより怖いことがあるから、死ぬのです。
そんな人に、「こっちの選択肢を選べばいいんですよ、死ぬことなんてないですよ」なんて言葉、絶対に響きません。
もう一度言います。
辞めたらいいなんて当たり前。
辞めると言う選択肢を選べない(精神)状況だから、自殺するんです。
死んだほうがラクになれると思っているから死ぬんです。
一流大学に入った。一流企業に入れた。周りからうらやましがられている、親も喜んでくれている。でも実は苛められていて辛い。
辞めたら親はなんていうだろう、新卒カードを失った。転職したらいまよりランクの低い会社にしか転職できない。
友達にもうらやましがられていたのが、一転「実は苛められていてやめたらしいよ」なんていわれるかもしれない。
耐えられない。そういう状態、わかりませんか?
日本人は特に、恥の文化と言われるくらい、恥を恐れます。
生き恥をかくくらいなら死ぬ。この日本人の精神構造が大前提としてあり、未だ根強い、体育会系滅私奉公体質、レールから外れる不安、そんな様々なものが絡み合って、別の選択肢があるのに見えない。見えていてもその選択肢を「自分が」選べると思えない。
そんな状況だから、辞めることが救いにならないんですよ。
辞めたら「一流企業を辞めたタダの人」になってしまうんです。
それが嫌なんです。怖いんです。失いたくないんです。だからそれを失うくらいなら死ぬんです。
死ぬくらいなら辞めろ、じゃないんですよ。
そんな言葉、今まさに死のうと考えている人には届かないんです。
じゃあ、そうならない為にはどうしたらいいか。
責任感のある人なら辞めないでしょう。
そういう人が立派だって教育してきてるじゃないですか。その教育は止めなさい、といえますか?
数分遅刻しただけで社会人失格みたいな叱責する人、こんな人もおかしいわけです。
だって、その考え方なら、仕事処理しきれずに退職したら社会人失格ってことでしょ。
じゃあ遅刻OKOKでしょ。
納期遅れたってOKOKでしょ。そういうユルい社会なら誰も死にませんよ。
だから電車が遅れたって私は運転手さんも車掌さんも責めませんよ。
普段頑張ってるし、運転手さんや車掌さんが死んだら嫌だから。
でも責める人いっぱいいるじゃないですか。運転手さんや車掌さんが悪くないのに、偉そうに責めまくってさ。可愛そうに飛び降りたじゃないですか。生きてて良かったと思いますよ。
こんな風に、
日本社会自体が、「他人に迷惑をかけるくらいなら死ね」って社会なんですよ。
そこを変えていかなきゃいけない。その覚悟が我々にあるのか。そこなんですよ。
迷惑かけていいよ、あなたが死ぬより全然いいって言えるんですか?ってことなんですよ。
納期遅れてもあなたが死ぬより全然いいよーって言える?言える人だけが「自殺するくらいなら辞めればいい」と言えるんですよ。納期遅れて損害発生してもいいならね。
確か通知表にも、責任感とかあったでしょ。
あんなもの、いらないんですよ。責任感強い人ほど死ぬんだから。
自殺するくらいならやめろ、って辞めれないから死ぬの。責任とって死ぬんですよ。
死んだら責められないから。死ねば許すみたいな風潮があるから。
ここんとこすっごい大事だと思うんですよ。
日本人の価値観を変えていく覚悟があるかどうか。
痛みに耐えてよく頑張った。感動した。
うるさいよ。そりゃお前は痛くないからなってなもんですよ。
あれはスポーツだから感動させてカネもらえるわけだし良いんですけどね。
と毒を吐いてみました。